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「FNサービス 問題解決おたすけマン」
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★第191号 ’04−01−30★
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親、親、親、、
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■お詫びと訂正■ 前号でまことに不注意にも、
<村上龍>氏の名を<竜>としてしまいました。
失礼をお詫びすると共に、訂正させて頂きます。
また、ご指摘下さった読者に御礼申し上げます。
●ホームラン<王>の母校、早実
こと早稲田実業学校についてこのたび報じられた<多額寄付>。 強要
めいて愉快ならざる印象は遺憾でした。 募集要領で<50万>とした
のは「350万だと応募者が少なくなってしまうと思ったから、」の由。
運営上3億5千万必要、100人で割って、、とはまるでコドモの算術。
その持ちかけ方が<教育業>らしくなく詐欺的、非教育的、名に背いて
<虚業>的。 <上>が全部辞めなきゃ、組織の本性今後も変わるまい。
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サイトの<自己紹介>では省きましたが小生、早実本家とはやや隣接の
早稲田中学卒。 しかし校門が反対側、早実がどこか、すら当時は知ら
なかった。 が、後年、
早稲田大学とつながり(<係属>と言うんですな、今回ニュース画面で
認識)が生じて進学有利、と聞き及び、なるほど、野球だけじゃ集客?
できないんだ、と納得。
律儀に「学の独立」とやらにこだわった我が母校も、少々後れたものの
やがて同様<係属>化、堕落。 大学受験の精力浪費が無い分、学生は
個性や将来の希望に適った勉強に没頭できる、、
など尤もらしく言われますが、だから彼ら勉強するか? 私の経験から
言えば、しないでしょうな。 半世紀前もそれなりの受験戦争はあって、
中3当時<試験のための勉強>が空しくなり、親も同意してくれて私は
<無益な>勉強と縁を切るべく、中学直結の早稲田高校ではなく、真正
<係属>早稲田高等学院へ移りました。 だから、<有益な>方に打ち
込めるようになったか? いや、ならなかった。 いや、なれなかった。
周囲はノンビリ、ないし遊びたがり屋ばかり。 一人ガリ勉を決め込む
なんて不調和すぎて実行不能。 朱に交わって尚赤くならずに済ませる
強さや自信、私には欠けていました。 人間は<環境の動物>、、
と悟って2学期からは早稲田高校に<帰り新参>。 恥ずかしい思いや
親に改めて心配をかけることになった不本意、自ら七難八苦を求めるか
のごとき因果な性分、、 希望が叶って自己嫌悪に陥りました。
そのマイナスを打ち消すべく、ガムシャラ自学自習の明け暮れ。 幸い
第一志望を射止めた時も、これで親が許してくれるだろうか? 浮いた
気分は全くありませんでした。
良かったのは、3年間ひたすら自己流を貫いたこと。 有り難かったの
は、親が黙って見守ってくれたこと。
Teacher's Pet どもはザマミロ、大方討ち死にだった、とまで露骨には第135号に書きませんでしたが、
ろくな知識や方法を授けず、何が<授>業だ? 私は学校不信の塊。
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振り返ると、私の属する期は妙な運勢。 まず<国民学校>の第1期生、
次は<新制中学>第1期生。 常に学校制度の変わり目で、教師も試行
錯誤、上滑り。 信念欠如のオトナが尊敬できない、
やる気が出ない。 それを補ってくれた、いや、尻を叩いてくれたのは
母(第185号既述)、直接的。 父は間接?的で、根拠無く「ウチの
子は1番!」と吹聴する、いわば扇動型。 親を嘘吐きにしてはまずい、、
否応なく頑張らされてしまいました。
父は高等小学校卒、それで通用した時代でしたが、何か差別を経験した
のでしょう、私には「大学を出なきゃ、、」、よくあるパターン。 私
は素直に奮い立ちましたが、世間には感謝するどころか、
「親のために行ってやるんだ」と嘯く不埒者もおり、当然<行く>だけ、
勉強なんかしない。 アチラ大学でテニスはしたが卒業はせず、しかし
<卒>のつもりだった国会議員氏もまことに不埒、いや、日本的。
ある時期からそんなのが急増しましたが「割れ鍋に綴じ蓋」、大学教師
も尊敬に値しないのが多い。 135号の「6・3・3・4計16年間、
学校に<お世話になった>記憶が無い」、「必要な知識や能力を必要に
応じて授ける仕組みを作るよう、オトナたちは努力すべき」は本音です。
が、文部科学省先週発表の<高校生学力調査結果>、高3生の74%が
<勉強嫌い>、教室外での勉強時間数は41%が<ゼロ、殆どゼロ>。
無能と怠惰、文科省と学校の本質が見事に反映されました。
いま知識産業、知識労働者の時代、即ち生涯学習の時代。 なのに、
勉強嫌い、勉強しない、がゾロゾロ! <将来>明るくないぞ、、
そんな文科省を放置して来た政治家、そんな文科省に唯々諾々の学校や
教師、子を監督激励しない親、、オトナたちの努力不足の成果、ですな。
だいたい<一昨年の>が漸くとは何だ? TV視聴率ほどでなくとも
up-to-date に把握し、随時迅速に対策し、そうならないようにする
のが仕事。 国益センスとIT活用無き役所は、、 廃止しちゃえ!
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●まともな親なら
子の勉強に関心を抱く、オトナの実行が子供たちに成果をもたらす、と
示してくれたのは1月20日の日経スペシャル<ガイアの夜明け 世界
教育ウォーズ 〜ニッポンの子供は大丈夫か?〜>。
<知>がその国の<経済力>の基礎。 なのに我が国は<ゆとり教育>、
子供たちの学力低下が甚だしい。 一方、国を挙げて学力向上を目指す
国々がある、、という切り出し。
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最初の例は上海に新設された巨大な<東方世紀学校>、全寮制中高一貫
エリート育成校。 「教育はサービス業」(文科省に聞かせたいね)と
断言する校長の<素質教育>は学業のほかスポーツや美術など、各自の
個性次第、様々な分野のトップを狙わせる。
「生活が豊かになり、子供の学習意欲が低下している」、おや、中国も。
「が、20年後を見据えて取り組んで」おり、たとえば<欧米タウン>
には西洋風の街並み、日常的会話はみな英語。 高等部の学生が食堂の
給仕を勤め、英語で注文する者には価格割引きという奨励策。 名案!
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豊かでない方の例は<広豊民工学校>。 群がる出稼ぎ労働者<民工>
の子供たちは<上海の>学校には入れてもらえない。 で、自らも民工
だったワン氏が設立、校長を務める。
校舎は借り物、瓦礫の広場に整列した子らは敗戦時の我々同然。 だが
去年から、親たちの希望で全学年英語授業導入。 寿司詰め教室は熱気
に溢れ、5年生12歳の男児、「将来は、、自動車会社を創りたい」。
彼の母親は小卒、道端で漬け物売り。 「シッカリ勉強して大学へ、、」
と毎日督励、「テスト90点以上」が約束。 ところが84点、キツイ
叱責。 「勉強が足りない、何か言ったらどうなの?」 彼、黙って涙。
「自分で罰を考えなさい」で、母親に代わって漬け物を売る。 彼には
辛い仕事だが、憎むか?という質問に、「走ることも読むことも教えて
もらった、、親に感謝してます」。 一方、親たちは夜
学校に集まって教師と激論。 校長も呼ばれ、「休日補習授業実施」で
収拾。 教師を支持激励しつつも親の期待を理解して対応、とはさすが
メンツの国の校長。 「学歴が無いのでいくら働いても沢山は稼げない。
だから親たちは、子供たちにすべての夢を賭ける」。
かつて日本もそうだった。 いま<一億総中流>崩壊、<2極文化>
へ向かう。 <勉強嫌い>や<感謝知らず>、勝ち組に入れないぞ、、
10日後補習開始、眼を輝かせた少年のアップ。「いま中国は発展して
いますが、もっと進歩すると信じています。 絶対アメリカを超えるよ」。
日本の12歳とはずいぶん違う彼、それは育てたオトナの違い。 番組
タイトルも正しくは、<日本の大人たちは大丈夫か?>でしょうな。
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●次の例はテキサス州ヒューストン
の<チャーター・スクール>(民間が運営する公立学校)。 既成概念
を超え、様々なカリキュラムに挑戦している。 その一つ、
KIPP(Knowledge Is Power Program)アカデミーは生徒が少数民族主体。
低所得層の子弟にもキチンとした教育を! が功を奏し、去年の卒業者
は85%大学志望、しかも一流。 <学力向上に貢献した学校>として
政府の表彰を受けた。
成功した先輩の姿を見て夢を描く子供たち、その手助けをする学校、、
理想的。 「今のアメリカ、大学を出ていない子供が仕事に就くことは
非常に難しい。 我々のすべきことは、子供たちが幸せを求める努力を
する力を身に着けさせること」、KIPP のモットーは「努力あるのみ」。
まず勉強時間数が圧倒的。 月〜木は
7:25-17:00、金は 7:25-16:00。内容も高度、12歳教室の算数テストは<計算法則の用語>。 数式例
を見て<ゼロの加算法則>、<反数の計算法則>など答えを書き込む。
そのあと生徒同士2人1組、相互に問題を出し合い、答え合う。
宿題はそのテストのおさらい。 ほかに2、3時間分の問題も。 親は
宿題点検の義務を果たし、署名する。 学校ではさらに<カルタ式>で
即答力を強め、最終テストで仕上げる。 徹底的な詰め込みと競争。
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KIPP では入学時、本人、親、教師、全員が学力向上努力誓約書に署名
する。 「義務を果たさない教師は解雇。 我々は子供の将来に責任を
持たなくてはならない」と校長。 文科大臣、観てくれたかな?
暗いうちにスクールバス、片道1時間半かけて通う少年は学年5番以内。
兄も成績優秀、奨学金付き全寮制エリート校に進学。 父親はメキシコ
から来た労働者、「息子たちと一緒に雲の上を飛んでる気分。 人生の
中でこんな気分が味わえるとは思っていませんでした」。
期待は重荷だが、「家族が励ましてくれるから僕は頑張れる。 もっと
努力しなくては、、 絶対に諦めたくない」、少年は医者志望。
ハードな
KIPP だが、脱落者は希。 「チャレンジできる、と子供たちに教えることが使命。 社会はチャレンジできる人材を求めている」と
教育長。 <安定>を言う親が未だ多い我が国、オクレテますなあ。
文科省が救うオチコボレたち、社会のどんなニーズを満たすやら?
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●この番組の前たまたまTBSの
CBS特集<ペンタゴンスクールズ>で、米軍基地内の学校を観ました。
保育園から高校まで、生徒数10万人、世界中約200。 どれも成績
最優秀レベル、「教育に対する取り組みの違い」ゆえ、という。
学生は半数近くが黒人とヒスパニック系、4分の3は下士官・兵、即ち
低所得家庭の子女だが、長らく人種間融和努力を重ねて出来た軍の文化、
大学進学希望にも人種の差が無い。
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国防予算だから一人当たりは一般公立校より15%多い、すべての親が
ハイスクール以上の学歴を有している、、という有利性があるにせよ、
成績優秀最大の貢献要素は、軍の方針<親の教育参加>。 学校中に親
の姿があり、いつでもどの授業にも参加でき、教師を手伝うことも多い。
教師も、「我々の知り得ない子供の部分を知っている親の協力は効果的。
お陰で教師が精神的に追い詰められた例は無い」と。 教師の定着率が
高く、それは給料より、親との生産的な関係が持てるから、だという。
それが及んで兵士の定着率も良く、一旦除隊しても子供の学校のために
再志願し、敢えて狭い粗末な基地内住宅に住む、というくらい。
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こうした国や学校の<姿勢>を物語る例はほかにもある。 1月21日、
TBSの
NEWS23<虫歯ゼロを目指して 予防歯学最前線>。
5歳時の虫歯ゼロ率が日本は36%、フィンランドは70%。 その差
のもとは<教育>。 幼稚園では食後、(自治体の援助で無料の)キシ
リトール・ガムを園児に配布する。 その習慣を着けさせるため、の由。
虫歯菌の母子感染を防ぐことが大切、で妊産婦に徹底指導。 唾液から
感染するので、オシャブリやスプーンに親が口を付けぬよう注意させる。
小学校の6年間も、徹底した虫歯予防教育。 授業中も順に呼び出され、
校内の歯科診療所で定期検診やフッ素塗布を受けさせられる。 <勉強
の遅れは取り返せるが、虫歯予防は後回しに出来ない>、が国の考え。
唾液の虫歯予防機能には個人差があり、唾液検査は必須、、なんて私も
初めて聞きました。 だから<ダラダラ食い>はダメ、生活習慣病でも
ある虫歯を防ぐには親のしつけが、、と。 とにかく親、親、親、、
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●国、学校、親、
三位一体の整合的努力によって心身健全前途有為の青少年が育つ、とは
言わずもがな。 しかしどれを取っても、我が国は到底<大丈夫>じゃ
ない。 その<産物>を部下とせねばならぬ皆さん、ご苦労様です。
疑似血縁関係でないと円滑に運ばない、と言われていた我が組織社会も、
実の親子ですら、だし、まして働いてくれるのは<派遣>なる<他人>、、
彼らと意思を通わせ、認識を一致させ、誤りなきを期し、成果を挙げる
には、よほどの工夫や注意が必要です。 それを少しお助けできるのが
Rational Process。
工夫のヒントを提供し、押さえるべきポイントを明快に示す技法ですから。
前記はいずれも、導く者と育つ者の間で、課題や
MUST/WANT の認識が一致していたからこその成功例でした。 環境次第ではそれが自動的に
行なわれたりもしますが、我が国の現状では意識的でなくてはムリです。
Rational Process は難局打開の鍵。 もし考え込まれるようでしたら、
迷わず<おたすけマン>へメール1本。 FNサービスは年中無休です。
■竹島元一■
■今週の
<私の写真集から>は ★親から子へ★================================================================
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